月経過多 漢方 治療

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婦人科でよく処方される当帰芍薬散の効果は? 月経過多の漢方処方その5 

 

婦人科漢方でよく処方される漢方薬を二つ挙げるとすれば桂枝茯苓丸と当帰芍薬散でしょう。

 

これらは、非常に多くの産婦人科外来で月経不順や生理痛などの症状に対して、ただ単に「実証」なのか「虚証」なのかで使い分けられることが多い薬です。

 

・・・ですが、ちょっと違いますよね(笑)。

 

 

もちろん、これらの薬を使う産婦人科医の多くが最終的に目指している状態は同じかもしれません。

 

随伴する症状のない月経を理想的な周期で迎えるということです。

 

でも、医師は漢方処方の使い方が西洋医薬的なそれとは違うことを肝に銘じて、その人の証などを考えて使う必要があります。

 

 

患者さんの側も、これらの薬がどういうものであるのかをきちんと把握して服用し、それが自分に合っているのかどうかを判断していく必要があります。

 

それぞれの処方の内容と効果、対象となる状態について説明してみたいと思います。

 

まず、この記事では当帰芍薬散について説明します。(桂枝茯苓丸は次の記事です。)

 

 

当帰芍薬散

 

この薬は基本的に「虚証」の女性のホルモンバランスの改善に用いられます。

 

冷え性で貧血傾向のある人の月経不順や生理痛、めまい、立ちくらみ、体の冷えを改善してくれます。

 

同じくやせ形で虚証の人の更年期障害の諸症状の緩和にも効果的とされます。

 

 

これの主成分である「当帰」というセリ科の根を原料とした漢方薬ですが、私が最初に読んだ本に書いてあったこれの名前のいわれそのものが面白い。

 

昔の日本同様に中国においても嫁いだら子供を産むということは婚姻した女性にとっては非常に重要な役割であり、数年間子供ができなければ離縁されても仕方がないものとされてきました。

 

(ですから子供を産んだ若い女性の再婚は男性側が初婚であっても歓迎されました。)

 

 

嫁いだものの、流産を重ねた、あるいは妊娠しなかったなどの理由で実家に帰った女性が、この薬を飲むことで妊娠可能になって(当たるようになって)から嫁ぎ先に戻ることができる。

 

当たるために帰るのか、当たるようになって帰ってくるのかどっちだったか忘れましたが、実家でこれを飲んでホルモンバランスを整えて帰るための薬。

 

そういう意味の「当帰」、これを中心とした処方です。

 

 

ネズミを使った実験では、実際に当帰芍薬散を服用すると、悪くなった視床下部下垂体系の機能が改善するという報告がありました。

 

さらに面白いのは、これを内服すると学習機能がアップするというのです。

 

いずれにせよ、中枢神経系に働きかけることで、性周期を含めた複数の中枢神経機能を整え、改善する効能があることが確認されています。

 

若いやせた冷え性の女性の月経不順、生理痛、PMS(ちょっと違うと思うんですけど^^)、不妊症などにとりあえず飲んでみるか、ってぐらいに重宝されている薬です。

 

 

また、効能には書いてありませんが、やせた月経不順のある女性の場合、この薬を飲むことで「食欲が増進」する話もよく聞きます。

 

(胃腸の機能を整えて血液の流れをよくする、というのは効能としてありますが、添付書類での効能としてはうたっていません)

 

やせている人の場合にはこれがけっこうじわりと聞いてくるのかもしれませんね。

 

でも、スイーツやパンやパスタなどの小麦や砂糖を使った炭水化物を増やすのではなくて、野菜、魚介類、肉などの食物繊維とタンパク質を中心に、よい食べ物をしっかり摂取するようにしてください。

 

 

 

さて、それでこの当帰芍薬散、月経過多の症状緩和もに効果的なのでしょうか?

 

使う対象となる女性が限られますが、効果を発揮することもあると私は考えます。

 

 

更年期で、あまり元気がなくて、ホットフラッシュはあってもそのあとの冷えの方が深刻で、四肢がいつも冷たい方。

 

そういう方の切れの悪い月経過多には効果を発揮すると思います。

 

この場合、選択肢にはやせ形でない人も入ります。

 

いつも眠くて、ちょっとむくんでいるような方、当帰芍薬散の効果がある可能性が高いので試してみてください。

 

そして、上にも書きましたが、炭水化物以外の肉、魚、野菜、乳製品などを積極的に食べるように心がけてみてください。

 

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