月経過多 子宮筋腫

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子宮筋腫が大きい人は月経過多になりにくいと聞いてたんですが?

 

月経過多(過多月経)を主訴としてで受診された方、実は数年前に直径6pの子宮筋腫を指摘されていましたが放置してらっしゃいいました。

 

その方に出血が多いのは子宮筋腫のせいであることを告げたところ、この記事のタイトルのような質問をいただきました。

 

 

この伝聞は部分的には当たっているかもしれません。

 

子宮筋腫のせいで月経過多になるのは、筋腫が大きい小さいの問題ではなくて場所が問題です。

 

子宮筋腫ができる場所は以下の図に示すように様々です。

 

 

 

 

しかし、子宮筋腫で生理の出血が増える人の場合、そのほとんどが粘膜下筋腫と呼ばれるタイプの筋腫です。

 

これは子宮内膜直下に発生する筋腫であり、これが子宮内膜を押し広げるようにして存在するために、その上に増殖した子宮内膜が不安定で、かつ、その子宮内膜に栄養を供給していた末梢血管も内膜が破綻した後に閉じにくくなると考えられています。

 

さらに、普通の生理で子宮内膜がはがれるときには血液が凝固しにくくなるようにある種の酵素(プロテアーゼ)が産生され、これが子宮内膜細胞のスムースな再生も促すのですが、下に筋腫がある内膜ではそれがあまりうまくいきません。

 

このためになかなか「子宮内膜がはがれた状態」からの再生が進まないのです。

 

だから出血もだらだら続いてしまいますし、酵素が出ていないので血液も凝固してレバーのようなものがドカッと出てきます。

 

 

この粘膜下筋腫、例外はありますが、それほどまでには大きくなりません、というか、直径2pにもなれば症状が強く出るので、治療に進まざるを得なくなります。

 

一方、粘膜から遠い部分にある筋腫はいくら大きくても何の症状も出ない場合はあります。

 

なんとなく下腹が思い、腰がだるい、というぐらいで気にしてなかった人がちょっと婦人科がん検診を受けてみたら直径15pの子宮筋腫が見つかったりすることがあります。

 

(私の経験上、最大だった子宮筋腫の方の摘出腫瘍の重さは28kgでした。)

 

 

これが子宮壁で巨大化した場合、サイズが大きくなってくると粘膜から遠いけれどもそれを引っ張って押し広げる効果はあります。

 

そう言うケースでは直径6pでは何ともなくとも、直径10pを超えてから月経過多が起こることだってあるわけです。

 

 

 

ですから、タイトルにあったような質問、当たっている部分もありますが、外れる部分もあります。

 

少なくとも産婦人科で子宮筋腫を指摘された方は、月経過多になったら、その原因は子宮筋腫である可能性を念頭に置いて早めに産婦人科を受診されてください。

 

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