月経過多 病気

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月経過多(過多月経)を引き起こす病気にはどのようなものがあるのか?

 

過多月経を引き起こす病気はいくつかありますが、それほど多くありません。

 

どんなものがあるか見ていきましょう。

 

 

1.子宮の病気

 

@子宮筋腫

 

子宮筋腫は子宮の平滑筋細胞が正しく配列することなく勝手に集塊状に増えた状態です。

 

良性腫瘍の範疇に入りますが、できる場所が問題です。

 

粘膜下筋腫と言って子宮内膜直下にできた場合や、それどころか子宮内腔に完全に飛び出して育つ場合があります。

 

この上の子宮内膜はきれいにはがれにくく、また再生にも時間がかかるのでいつまでも出血しやすくなります。

 

 

A子宮内膜症・子宮腺筋症

 

子宮内膜症とは子宮内膜上皮細胞が本来あるべき場所以外で増殖する疾患で、これが子宮の筋層内に潜り込むようにできるのが子宮腺筋症です。

 

腺筋症を内性子宮内膜症ということもあります。

 

この場合、正常子宮内膜がはがれるのと同時に子宮内膜症成分の子宮内膜上皮も剥がれ落ちるので経血量が増えます。

 

子宮筋腫の場合ほどではありませんが、子宮腺筋症でもはがれた部分の創傷治癒が遅れるので出血が長引きます。

 

 

2.卵巣や下垂体視床下部の問題

 

@加齢による卵巣機能低下

 

卵巣では周期的にほぼ一定した上がり下がりのリズムで女性ホルモンが産生されます。

 

これを作っているのが顆粒膜細胞や莢膜細胞と呼ばれる卵胞上皮細胞で、卵子を育てると同時に様々な働きを果たしています。

 

子宮内膜を増殖させたり、体温を上昇させたり、様々なホルモンや酵素の分泌を促したり。

 

これが加齢によって、途中で卵胞発育が止まったり、一つも育たなかったりすると、本来あるべきであったはずの女性ホルモン濃度がいきなり下がったり、最初から全く足りなかったりという事態が起こります。

 

 

そういう状態に陥ると、子宮内膜が予定外の時期に増殖や分化を止めてしまいます。

 

そうすると、まったく予定外の形の未熟な子宮内膜細胞が、予定外のはがれ方をします。

 

このため、本来であればきっちり数日間できれいにはがれおちて新しい細胞に生まれ変わるはずだった子宮内膜上皮がきちんと次のものと入れ替わらないのですね。」

 

これでだらだらと出血が続いて過多月経になることがあります。

 

 

A視床下部・下垂体機能の問題

 

女性の性周期をコントロールしているものは直接的には卵巣の発育のように見えます。

 

ですが、実際に制御しているのは脳です。

 

脳の中の視床下部という場所が定期的に脳の中の下垂体というところに指令を出して、下垂体が卵巣の細胞を刺激するホルモンを分泌します。

 

この下垂体や視床下部の細胞は女性ホルモン(卵巣ホルモン)からフィードバックを受けるので、適度なところで分泌が収まります。

 

 

この分泌リズムが何らかの理由で狂ってしまうと、卵胞発育が突然止まったりして女性ホルモン産生量がガクンと減ります。

 

するとやはり、子宮内膜が予定外のはがれ方をして修復が難しくなり、出血が増えることがあります。

 

 

3.精神的なストレス

 

前の分類の2-Aに関わるのですが、ストレスがホルモン分泌を混乱させることがあります。

 

どちらかというと生理が止まってしまうケースが多いのですが、タイミング次第では過多月経を起こす可能性もあります。

 

どういうタイミングかというと、十分に子宮内膜が育ったけれども、それがきれいにはがれて新しいものと入れ替わるための最後の分化ができてなかった段階、

 

そこでストレスにより突然、下垂体からのホルモンが出なくなったりした場合ですね。

 

はがれて落ちる子宮内膜は十分にあるうえに、そのあとの出血を止めるはずの新しい上皮細胞の発育が起こらないので出血が止まりにくいのです。

 

 

4.子宮内膜癌などの悪性腫瘍

 

子宮内膜癌がある場合、生理の時にその近辺から出血が起こってだらだらと続くことがあります。

 

この場合は過多月経というよりは不正出血(生理と関係のないときに出血する)が多いので、生理の時以外にも出血が頻繁にあるという場合にはこれを考えて比較的速やかに受診することをお勧めします。

 

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